ひまわり


「ねぇ、ねぇ」


教室の空気に耐えられなくて机に伏せようとしたその時、肩を叩かれ誰かに呼ばれた。


声がした方に目を向けると、そこには栗色に染められたボブヘアの女の子が立っていた。


整った顔立ちで、目はクリクリしている。


何重にもマスカラを重ね、さらに大きさを強調していた。


女のあたしでさえ口をあんぐり開けてしまう程だから、男子はもっと見とれてしまうに違いない。


「ねぇ、どこの中学から来たの?」


次に発せられた言葉ではっと我に返ったあたしは、慌てて口を開いた。




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