ひまわり


やっぱり、勇気をだしてあいつに話しかけるしかないか。


先輩の言うとおり、ずっとこのままってわけにもいかないし……。


早く解決して、真由に笑顔で会おう。


早く安心してもらう為に。


あたしは部室を出た足で、彼の元へと急いだ。


今、頭が活発に動いている時に話して、まずは仲直りしよう。


それから、野球の事は少しずつ話をしていこう。


気まずいまま教室にはいれないし、あいつに話し相手がいなくなったら、また一人でフラフラしそうだし。


きちんと、謝ろう――。


あたしは廊下を走って、教室に向かった。


昼休みが終わるまでにきちんと謝りたくて。


息が乱れるのもお構いなしに、走って走って息をあげた。


果てしなく遠く感じた教室にたどり着き、ドアの前で彼の姿を捜した。


その時だった。


「莉奈――」


背後で声がした。


肩を激しく上下させながら振り向くと、そこにはどこかぎこちなく微笑む真由がいた。


「あ、真由」


長い廊下を走り抜けたせいで、もう息も絶え絶え。


「どうしたの? そんなに息切らして」


眉間にしわを寄せながら、頭を傾げる。



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