ひまわり
「あ、あの、あたし、九州から引っ越して来たんです」
思わず敬語でしどろもどろ。
「へぇ、そうなんだ。
あたしはそこにある南第一から来たんだ。結構あそこから来てる子多いんだよ。
あっ、でも安心して。みんないい子達ばかりだから、すぐに仲良くなれるよ」
一息に話す彼女に圧倒されていると、ニッと可愛く微笑んで、あたしに手を差し出してきた。
「あたしが友達第一号ね」
彼女のその人懐っこい笑顔に安心感を覚え、胸を撫で下ろしてあたしも右手を差し出した。
「あっ」
握手をしながら、突然彼女が声をあげる。
「ごめーん。 握手しておきながら、自己紹介がまだだったね」
そう言って、てへっと笑う。
「あたし、田中真由。よろしくね」
彼女が笑うたびに出来るえくぼが、とても可愛かった。
「あたしは、新森莉奈。よろしく」
お互い笑いあって、再び握手。