ひまわり


『真由でいいから』なんて、とびっきりの笑顔を向けてくれる彼女

ううん、真由の存在が、今まで憂鬱だったあたしの気分を楽にしてくれた。


よかった。

真由みたいな子がいて。


知らない地での高校生活。

最初は不安だらけだったけど、今では少しだけ楽しく過ごせるような気がしてきた。





初めてのHRを終えた教室は、また動物園のように騒がしくなる。


そして、当たり前のように真由があたしの机まで走って来てくれた。


「ねぇ、この後何か用事とかある?」

「え? なんにもないよ」


鞄に荷物をつめながら答えると、一気に真由の顔が明るくなった。


本当に可愛い。


「今から遊び行かない?ほら、莉奈まだこの街詳しくないでしょ?だからさ、あたしが色々案内したげる」


相変わらず一息に言う真由を、よく噛まずに言えるな、なんて感心しながら見ていた。





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