ひまわり

友情



空を見上げると、限りなく広い青空に大きな入道雲が浮かんでいた。


梅雨も明け、7月に入ると急に日差しが強まる。


手を前に翳して日差しを遮っても、この強烈な太陽からの光線を避ける事は出来ない。


2,3歩足を動かしただけで、額から流れる汗が目に入ってきた。


風なんて、あってないようなもん。


生ぬるい風なら、むしろ吹かないでほしい。


あたしが高校に入学してからの通学路になっている、教会へと続く並木道。


夏になり、この木のトンネルがすごく有り難く感じた。


夏休みまで、あと1か月。


真由とは、まだ口を利いてもらえない。


完全に噂を信じてるようで、あたしが必死に言葉を考えて手紙を書いても、受け取ってももらえなかった。


だけど、話しだけでも聞いてもらいたくて。


真由に話しかけては、無視される毎日を過ごしていた。


『噂に流されるようなら、そんだけの友情だったってことだよ』


もう、友達には戻れないのかな――…。



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