ひまわり


それに、蔵島恭平の席は廊下側の一番前。


教室の端同士で、ひそかに声をかける事も出来ない。



あたしは、次の授業の為に一人で教室を移動した。


科学室では、真由と同じ班。


かなり気まずい。


いっそのこと逃げ出してしまいたかった。


だけど、『頑張れよ』


彼があたしの見方でいてくれるから、それだけが今のあたしの支えだった。


「真由……」


科学室では、真由とほぼ顔を合わせて座ることになる。


授業中に勇気を出して、斜め前に座る真由に話しかけた。


だけど、真由は黒板に目を向けて、黙々とノートに重要点をまとめていた。



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