ひまわり


「手紙、読んでくれた?」


せめて声だけでも真由に届いたらと、あたしはめげずに無反応な真由に声をかける。


それでも、真由の反応はない。


まるであたしが透明人間のように、真由の目にはあたしが映っていないようだった。


もう、本当にダメかもしれない。


やるだけの事はしたはずだ。


後は……、真由の事を信じて待つだけ。


それしか、方法はない気がする。


あたしは、教科書片手に黒板に向かう、先生の背中に目を向けた。


楽しい高校生活が送れると思っていたのに、あたし、一人になっちゃった……。


学校、全然楽しくない。


毎日毎日冷たい視線を浴びなきゃいけないなんて――…。


こんなんで学校行く意味、ある?


『噂なんてすぐに消えるよ』


いつか、あいつに言ったセリフ。


現実はそうじゃなかった。


さすがのあたしでも、もう、精神的にボロボロだった。




< 142 / 339 >

この作品をシェア

pagetop