ひまわり


張りつめていた糸が切れるって、きっとこういう事を言うのだろう。


彼のたった一言で、あたしの全身の力が抜けた。


ベッドに座っているのにもかかわらず、体を支える事が出来ない。


ずるずると上半身を倒し、また横になる。


それとほぼ同時に、あたしの頬に一筋の涙が流れた。


髪に伝わり、枕を濡らす。


カーテンの向こう側の彼にバレないように、嗚咽をのみ込んだ。


彼の言葉は、恐ろしいくらいにあたしの心を奪っていく。


彼の一言に喜んで。

彼の一言に苦しんで。

彼の一言に救われて。

彼の一言で、涙が流れる。



いつの間にか、あたしはこいつがいなきゃ何もできない体になっていた。


それに気づいてしまって、余計に涙が溢れる。


小さくうずくまり、白いシーツの上にたくさんのシミを作った。




< 146 / 339 >

この作品をシェア

pagetop