ひまわり


ここで喧嘩なんてされたら、またややこしくなる。


蔵島恭平は手は上げないと思うけど、少しだけ不安だった。


彼は制服を引っ張るあたしを見下ろして、何か言いたげな表情を見せた。


だけど、無言であたしの手を制服から離し、もう一度あの集団に目を向けた。


真由たちは、まだあたし達には気づいていない。


楽しそうに、顔の前で手を叩きながら笑っている。


それを蔵島恭平は見据えた。


そして、ゆっくりと教室の中へと足を進めていった。



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