ひまわり


気がつけば、窓の外は紫がかった空に、月が見え隠れしていた。


蔵島恭平も気を使ってくれたのか、教室にあたしと真由の二人にしてくれた。


薄暗い教室に、真由と二人っきり。


また真由と話が出来るようになるまで、かなりの時間がかかった。


大切な人とすれ違うって、こんなにも苦しい事なんだ。


初めて、学んだことだった。


二人になって、どのくらい背中をさすりあっていただろう。


真由が鼻水をすすりながら顔を上げると、フっと笑った。


だからあたしも、真由の肩におでこをつけながら、一緒になって笑ったんだ。


固く握手まで交わして、また二人で抱き合う。


真由にやっとで真実を伝えられ、『また、明日ね。』と手を振った。


何日振りだろうか――。


真由とまた笑顔を交わせた事が、凄く幸せに感じた。



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