ひまわり
異変
夏休みに入って、あたしの頭上から照りつける太陽が一段と近くなった。
真由と仲直りをして、恭平の事を詳しく話した。
『いつから、気になってたの?』なんて聞かれて、あたしは一瞬答えるのを躊躇った。
だけど、『最初から』と呟くように言ったら、『バカじゃない?』と、真由に怒られた。
なんでもっと早く教えてくれなかったのかって、真由が頬を膨らますもんだから、あたしは顔の前で両手を合わせるのに必死だった。
あたしが、少し悩み過ぎだったみたい。
真由に、恭平が気になるんだけどなんて言ったら、絶対に反対すると思って言えなかったんだ。
実際、あいつの事毛嫌いしてたし。
だけど仲直りした今、真由に正直に話すと、
『うん。あたしもね、最初は蔵島君は危ない人だと思ってたから、莉奈にはやめた方がいいって言ったんだけど、今なら大丈夫。
あんなに一生懸命莉奈の事守ってたし、あたしも、蔵島君を見る目が少し変わったから』
頑張れって、あの可愛い笑顔で言ってくれた。
あの噂大好きの3人組も、あの時から少し変わったの。
相変わらず噂を流す事はやめていないみたいだけど、噂の内容が変わっていた。
それは、恭平に対しての噂で、
『実は、陰で薬をやっている』から、
『あの、外見は偽物だ』になっていた。
なんか聞こえは悪いけど、その噂のおかげであいつに向けられるみんなからの視線が、すこしだけ和らいだ気がした。