ひまわり
「蔵島君、ありがと」
教会の前まで来た真由は、恭平から袋を受け取っていた。
恭平はと言うと、手を伸ばす真由に、無表情で袋を差し出す。
もうちょっと、愛想を振りまくぐらいしたらいいのに。
だけど、無表情なままの恭平を見ても、真由は全く動じなかった。
まぁ、今までこんなんだったから、普通と言えば普通か。
真由は、あたし達の後ろに立派に構える教会に目を向けた。
「ここが、蔵島君の家なんだね」
すごい綺麗と、憧れの眼差しで教会を眺めていた。
恭平は、クールにただ頷くだけ。
「今度、遊びにきてもいいかな?」
真由が遠慮がちに聞くと、恭平は素っ気なく肩をすくめた。
「うれしい、ありがとう」