ひまわり


この子達の心についてしまった傷は、あたしじゃ到底癒せない。
 

無責任な言葉は出せないよ――…。




「優斗、美穂っ!」


あたしの胸で泣き崩れる二人をきつく抱きしめた時、デパートの自動ドアから恭平が全力で走って来た。


額には汗を滲ませ、顔が強張っている。
 

恭平の大声に、デパート内のほぼ全員があたし達に注目した。
 

優斗君と美穂ちゃんも、涙で腫れた目を恭平の方へと向けていた。



「おまえら……、何、やってんだよ」
 

恭平の荒い息使い。
 

肩で息をして、息を飲んで――。
 

恭平があたしの隣まで来ると、今まで走り続けていた体から、熱気が伝わってきた。
 

二人はあたしの肩に強く掴まったまま、恭平の顔を見ようとしない。
 

きっと、怒られると思っているに違いない。
 

確かに、恭平の顔は怖かった。

 


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