ひまわり
一時沈黙が流れ、優斗君も美穂ちゃんも、あたしから離れようとしなかった。
耳元で何度も、嗚咽を飲み込む声がした。
「帰んぞ」
恭平の静かな声に、二人とも無言で首を振る。
息も落ち着いてきた恭平は、あたしと同じように、二人の視線に合わせて座り込んだ。
「俺らの家に帰ろう」
とても、優しい声だった。
表情も和らいで、優しく二人の頭を撫でる。
「大ちゃんが待ってんぞ」
「大ちゃんは、パパじゃないっ!
本当のパパとママを見つけたいの。
パパとママが欲しいのっ!」
優斗君が必死に口を開いて、恭平に詰め寄った。