ひまわり
準優勝という結果は、とても素晴らしいものだと思う。
だけどテレビに映った先輩たちは、誰一人として、笑みを浮かべている人はいなかった。
みんなで顔を濡らして、先輩から後輩に向けてメッセージを送り、後輩はそれを真に受けとめ来年への希望を持つ。
最後にみんなで立ち上がり、監督に『ありがとうございましたっ!』と声を揃えて頭を下げる姿には、あたしの目頭が熱くなり感動したものだ。
ふと、恭平の事も気になった。
野球の事――。
まだあたしに何も言ってこないけれど、彼が甲子園のテレビを見る横顔は、やっぱり切なかった。
きっと、心から野球をやりたいと思っているはずなのに……。
「あーっ、あんまり人気者にならないでーっ!」
真由が、窓から身を乗り出し叫んでいた。