ひまわり


「招待状?」
 

紙に書かれていた可愛い文字を、声に出して読んでみた。


「今度の日曜、あいつらの誕生日なんだ」

「そうなんだ」
 

【りなちゃん、ぜったいきてね】の後に、『ゆうと・みほ』と上手に文字が書かれていた。


「おまえに必ず渡せって、朝から何回言われたと思う?」
 

そんなに信用ないのか俺、とぼやく恭平が溜息をついた。


「部屋の飾り付けも、おまえの為に可愛くするんだとよ」

「あの子達の誕生日パーティーなのに?」

「初めてなんだよ。誕生日に、招待した客が」

「そっか」
 

招待状にもう一度視線を落として、あの子達があたしの為に書いてくれている姿を想像した。


「だから、かなりはりきってる。それだけ、おまえは特別だってことだよ」
 

恭平はそう言うと、両手をポケットに突っ込んで立ち上がった。



< 216 / 339 >

この作品をシェア

pagetop