ひまわり
「招待状?」
紙に書かれていた可愛い文字を、声に出して読んでみた。
「今度の日曜、あいつらの誕生日なんだ」
「そうなんだ」
【りなちゃん、ぜったいきてね】の後に、『ゆうと・みほ』と上手に文字が書かれていた。
「おまえに必ず渡せって、朝から何回言われたと思う?」
そんなに信用ないのか俺、とぼやく恭平が溜息をついた。
「部屋の飾り付けも、おまえの為に可愛くするんだとよ」
「あの子達の誕生日パーティーなのに?」
「初めてなんだよ。誕生日に、招待した客が」
「そっか」
招待状にもう一度視線を落として、あの子達があたしの為に書いてくれている姿を想像した。
「だから、かなりはりきってる。それだけ、おまえは特別だってことだよ」
恭平はそう言うと、両手をポケットに突っ込んで立ち上がった。