ひまわり
「よし、ちゃんと来たな」
そう言って、軽く微笑む。
リビングの暖簾をくぐり中を見ると、わっかをいく連にも繋げた色鮮やかな飾りがあたしの目に入った。
「すごーい。これ、全部二人で作ったの?」
二人の顔を見ながら言うと、二人は得意気に笑ってみせた。
「今日を楽しみにしてたんだもんなぁ」
大ちゃんが、キッチンから御馳走を運びながら、陽気な声を出した。
「大ちゃん、あたしも手伝います」
荷物を置いてキッチンに向かおうとすると、大ちゃんの大きな両腕がグンと伸びて、あたしがキッチンに入るのを阻止した。
「莉奈ちゃん、今日は招待客だ。テーブルに座って、しばしお待ちを」
「しばしお待ちをっ」
優斗君と美穂ちゃんが大ちゃんの真似をして、顔の前に人差し指を立ててにっこり笑った。