ひまわり


「莉奈ーっ、ちょっと来て」
 

なかなか部屋から戻って来ない恭平にしびれを切らしていると、ふと、廊下の向こうで声がした。
 

すぐに向かうと、恭平は自分の部屋から顔だけ出してあたしに手まねきしていた。


「何?」

「悪い、トランプどこにしまったか忘れてよー。
ちょっと、俺の机の辺り探してくんね?」

「う、うん」
 

初めて入る恭平の部屋に、少し緊張する。
 

リビングから賑やかな声が聞こえてくるのに、恭平の部屋というだけで体が固まってしまう。



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