ひまわり


「してみる?告白」
 

あたしは、話しの流れでそう言ってみた。
 

すると、また真由の背中が丸まってしまった。


「そうだよね。やっぱ、そうなるよね――。
タイミングってさ、学園祭しかないよね」

 
ぶつぶつと、呟くように真由が言う。


「でも、決心がつかない。わかるでしょ?
莉奈っ。この乙女心」
 

あたしの腕を掴んで力説する真由に、あたしはただ頷くことしか出来なかった。
 



窓の外を見れば、もう秋。


裏庭の木々の葉が、段々寂しくなっていた。
 

時間だけが無情に過ぎていき、自分一人だけ取り残されているような感覚になる。
 

今までこんなこと、思わなかった。

 
なのに、どうしてだろう――。


ものすごく不安になる。

 
さっき、『最後』なんて言葉を口にしたから?


頭に卒業をイメージしたから?
 



――何か違う気がする。



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