ひまわり


表情だって普通でいつもとなんら変わりはなかったけれど、明らかに何かおかしかった。


「最近、恭平どうしちゃったんですか?
こんなに学校休んで」

「あぁ、なんだか風邪気味みたいでね。
なかなか布団から出れないみたい」

「なら、連絡ぐらいしてくれたらいいのに。
みんな、心配してます」

「そうか、ごめんね。
恭平には言っとくから、それじゃ」
 

それだけ言うと、大ちゃんはあっけなくドアを閉めようとする。


「待ってください。本当に恭平いないんですか?」
 

あたしが中を覗くように背伸びをすると、大ちゃんの体があたしの視線に合わせて動いた。
 

邪魔をするように。
 

眉をひそめて大ちゃんを見上げると、大ちゃんはあからさまにあたしから視線を逸らした。
 

やっぱり、何かを隠している。
 

そんなに、知られたくないことなの?



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