ひまわり
「恭平は、今病院だよ」
足の力が一気に抜けて、上げていた片足を玄関のタイルに下ろした。
あたしの腕を掴んでいた大ちゃんの手も、力をなくしてだらんと揺れた。
「診察に、行ったんですか?」
視線を大ちゃんから外して聞いた。
しばらく、大ちゃんは何も答えなかった。
その間、あたしの鼓動は忙しなく動き続けた。
早く答えてと言いたいけれど、次に大ちゃんの口から出てくる言葉はいいものじゃないとわかったから、あたしは大ちゃんが話し出すまで、何も聞かなかった。
ていうか、何も聞けなかった――。
「今は、入院、してる――」
ドクンっと高鳴った心臓が、あたしに痛さを与えた。