ひまわり


「恭平の眼は……」
 

大ちゃんの言葉には、もう生気は感じられなかった。


大ちゃんの口から出た言葉が、哀しく宙を舞う。
 


なんで大ちゃんはこんなに、涙を流しているの?

恭平の目が、なに?


次から次に出てくるやり場のない疑問が、

体の中をめぐるこの苛立ちが――

どうしようもないくらい、あたしの体にのしかかった。



「もう、手遅れだったんだ……」
 

手遅れって、なに言ってんの大ちゃん。
 
手遅れってなに?
 
そもそも、手遅れだとどうなるの?
 

あたしの中の苛立ちが、今にも口からこぼれ出しそうなこの叫びが、次の大ちゃんの一言で、いっきにどこかへと吹っ飛んでいった。

代わりにあたしに残ったのは、絶望だけ――。


「あいつの眼は――」
 

言葉を区切ると、大ちゃんは苦しそうに喉ぼとけを動かした。





「あと、半年したら、失明する――」









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