ひまわり


最近口内炎が出来やすいと言う恭平に、ただの栄養不足だと決めつけて。
 

壁に肩をぶつけた時にも、気をつけろと笑い飛ばして。
 

鏡で照らされて眩しいと言う彼に、気のせいだと軽い言葉をかけて。

 

こんなにも、そろってあたしに訴えかけていたのに、何一つ気づくことなく全てを見逃していた。
 

ずっと、恭平の傍にいたのに。
 

あたしは彼の、何を見てきたのか――。

 
なんで、気づいてあげられなかった?
 
なんであの時、笑い飛ばした? 

なんであの時、軽い言葉で片付けた?
 

どんなに悔やんでも、もう後の祭り。
 

このまま、視力を失うまで、ただ時間を過ごすしかないなんて――。





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