ひまわり


「どうして……」
 

震える声が、弱々しく宙を舞う。
 

恭平は遠くを見ながら、頭をかいた。


「どうしてって、おまえが手紙なんかポストに入れとくからだろ?」

 

そういう事じゃない――。


「一緒に回りたいなら、素直にそう書けよ。
回りくどい事書きやがって」
 

そんな事を聞きたいんじゃない。
 

本当はきついくせに、そんな顔で笑って。
 

潰れそうなはずなのに、そんな、なんて事ないって顔して。
 

あたしは、もう全部知っているのに……。
 

こんな所で泣いちゃいけないと思えば思う程、頬が痙攣して涙が溢れた。
 

唇を強く噛む度に、頬に涙が流れて嗚咽が零れる。




「眼………」
 

あたしが呟くように言うと、恭平は目を見開いてあたしを見た。





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