ひまわり


「おまえ、それ……」

「大ちゃんから聞いた」
 

次から次に零れ落ちる涙を手で拭いながら、声を出す。


「なんで、なんの連絡もくれなかったの?
あたしの存在ってなに?なんの為にあたしがいるのよっ!」
 

取り乱して叫ぶと、渡り廊下を歩く生徒があたし達に注目した。
 

恭平は泣き続けるあたしの腕を引いて、屋上へと続く階段へ移動した。






「それ、いつ聞いた?」
 

相変わらず人通りのない階段に、恭平の声が響いた。


「3日くらいまえ」

「あいつ、あれほど言うなって……」
 

恭平は、あたしの言葉を聞くと乱暴に頭をかいた。


「なんで、そうやって隠そうとするの?
何も知らされずにいるなんて、辛いよ。恭平は、いつも一人で抱え込みすぎなんだ。なんだって一人で……」
 

とめどなく溢れる涙が、何度も口の中に入った。


「おまえが、そうやって泣くと思ったから……」
 

あたしが泣き崩れる姿を静かに見ていた恭平が、階段に座り込んでうなだれた。




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