ひまわり

叶えたかった夢



日曜日。
 

あたしの居場所は、太陽の家だといつからか決まっていた。
 

初めは、全てが謎な恭平の事を調査する為に来ていたんだけど、いつからかな。
 

自然と足が向いて、自分にないものを埋めるようにここに来ていた。
 

みんなの笑顔だったり、深い絆だったり。
 

今のあたしに欠けているものが、ここにはあった。
 

この街に引っ越して来てから、あたしの両親は少し変わった。
 

毎日、仕事仕事。
 

朝起きても誰もいなくて、学校から帰っても誰もいなくて。
 

仕事のためにここに引っ越してきたのだから、忙しいのはわかる。
 

だけど、あたし達家族は、どれだけ会話をしていないだろう――。
 

みんなで食卓を囲んで、一日の報告をし合って。
 

引っ越しをする前は、少しでも家族の時間を増やそうと、お父さんは早く帰ってきていたし、お母さんだって、お父さんが早く帰ってくる日は出来るだけ早く仕事を切り上げて、一緒にご飯を作ってお父さんの帰りを待っていた。
 

少ない時間だったけど、それがすごく楽しくて、みんなに自慢できる家族だった。
 

だけど、こっちに来てからあたし、お父さんの顔何回見た?
 

お母さんと会話、どれだけした?
 

お母さん、あたし、今すごく好きな人がいるんだよ。

そんなの事、知らないでしょ?
 




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