ひまわり


グローブからあたしに視線を移して、彼が問いかけてきた。
 

あたしは少し間を開けて、肩をすぼめた。


「残念には思ってるかもね。
ユニホーム姿が見れなくて」

「やっぱそうかな」
 

俺って、親不幸――と、彼が悲しげに続けた。


「親不幸じゃないと思うよ。こんなに素直な優しい人に育ってるんだもん」

「おっまえ、そんな恥ずかしい言葉よく普通に言えるよな」
 

そう言う彼だったけど、まんざらでもない様子だった。





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