ひまわり


「何回、廊下を走るなって言った?」
 

怖いよ、恭平。


「あぶねぇだろっ。
そのうち怪我してもしらねぇからな」
 

仁王立ちで怒る恭平をよそに、優斗君と美穂ちゃんは、あたし達にクレヨンと画用紙を突き付けてきた。


「みんなでお絵かきしようっ!」
 

無邪気に無視する二人に、恭平は溜息をつく。


「はい、ここに座って」
 

恭平は美穂ちゃんに無理矢理座らされて、画用紙を渡されていた。


「いきなりなんなんだよ」

「みんなでお絵かきした方が楽しいでしょ?」

「楽しいでしょ?」
 

二人は鼻歌交じりに、クレヨンを取り出していた。


「ったく。何を描けばいいんだよ」

「それは、恭ちゃんが考えるのー。
はい、これ莉奈ちゃんの画用紙」

「あ、ありがと」
 

あっけにとられて、とりあえず美穂ちゃんから画用紙を受け取った。




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