ひまわり


「あなただけをみつめる」

「――っえ?」

 
突然意味のわからない言葉を言われて、眉をひそめた。


「なんか、よくね?
この花言葉。太陽を必死に見上げてさ、ずっと太陽の後を追って向きを変えるんだぜ?
すごくね?この一途さ」
 

自分で描いた絵を見ながら、鼻をかいていた。
 


俺も、いつも――。

微かに聞こえた気がした。
 

だけど、呟くように言った彼の言葉は、無邪気な二人の笑い声に掻き消されて、あたしの耳には続きが届かなかった。





< 266 / 339 >

この作品をシェア

pagetop