ひまわり


「おいっ」
 

一点を見つめながら考えていると、不意に恭平に声をかけられ、あたしは我に返った。


「先に風呂に入って来いよ」
 

恭平に言われて、お風呂の道具を取りに行く。
 

おばあちゃんがお風呂のお湯加減まで見てくれて、


「ゆっくり、つかんなさい」


と、また優しく微笑んでくれた。
 

今日、急に帰ってきた理由を聞かないおばあちゃんの優しさが、心に染みた。




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