ひまわり
昔からそうだった。
あたしが黙っておばあちゃんの家に来ると、おばあちゃんは何も言わずに泊まる用意をしてくれて、お母さんには適当な嘘をついてくれた。
その時には必ず、あたしの大好きなものを作ってくれた。
一度だって理由は聞かれなかったけど、あたしの考えている事は、おばあちゃんには全てわかっているんだろうなって、そんな気がしてた。
だからあたしも何も言わずに、いつもこうやっておばあちゃんに甘えていたんだ。
お風呂からあがり、リビングの取っ手に手をかけると、中から二人の会話が聞こえてきた。
「恭平君は、莉奈とお付き合いをしているの?」
「――いえ。
そんなんじゃ」
「そうかい。
莉奈の目を見ると優しい目をしていたから、付き合ってるのかと思ったよ」
「付き合うとかじゃないですけど、俺には、すごく大切な存在です」
――恭平。
「あいつにたくさん支えられてきたし、笑顔ももらいました」