ひまわり


あたしは、恭平と共に新幹線に飛び乗った。
 

どんなに急に計画を変更しても、おばあちゃんは全く驚かなかった。
 

まるで、こうなる事を予想していたかのように、笑顔で手を振り送り出してくれた。
 

お母さん、あたしが一晩帰らなくてどう思っているのかな。
 

結局、昨日はなんの連絡も来なかった。


置手紙、読んでくれた?
 

不安になる。


あたしがいない事にも気付いていなかったら、どうしようって……。
 

新幹線で移動している間、何度か恭平があたしの手を握ってくれた。
 

それは急に不安に襲われている時で、恭平にはあたしの心は全て読まれているような気がした。





< 297 / 339 >

この作品をシェア

pagetop