ひまわり
おばあちゃんが、そんな事を……。
やっぱり、言葉にしなくても、おばあちゃんには分かっていたんだね。
「その一言で、お母さん、目が覚めた気がした。
確かに、今まで仕事仕事仕事で、余裕がなくなってきてた。精神的にも疲れてて、莉奈の事は後回しになってた。
どこかで、もう高校生だから大丈夫だろうって。
大丈夫なわけないよね……。
莉奈の話、最近何も聞いてあげてなかったもんね」
お母さんは、風で乱れた髪をかきあげると、真っ直ぐにあたしの目を見つめた。
何ヶ月振りだろうか、こんなに優しく見つめられたのは。
石化したままの体は動かないままだったが、あたしの瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。
嗚咽も零れずに、ただ、ポロポロと涙が頬を伝う。
「お母さん、今から会社に行って話してこようと思うの」
「――っえ?」
「これからは、夕飯を莉奈と作れるように。
前みたいにね」