ひまわり
それから、お母さんはあたしが学校から帰ると家にいるようになった。
今まで、夜までどうやって時間を過ごそうか考える毎日だったから、
『おかえり』と家から聞こえてきて、心なしか緊張した。
お父さんにも、今日は早く帰って来るようにとメールを入れて、久し振りに家族三人で食卓を囲んだ。
初めは、あまりにも久し振り過ぎてどこかぎこちなかった。
お箸がお皿に当たる音だけがリビング中に響いていたけれど、
「莉奈、最近学校はどうなんだ」
遠慮がちに聞いてくるお父さんの一言に、お母さんと目を合わせてクスっと笑った。
少し照れくさかったけど、何ヶ月かぶりにお父さんと会話をしたら、くすぐったくなった。
「彼氏も出来たのよね」
「なっ、ちょ、お母さんっ!」
あたしは飲んでいたお味噌汁を、豪快に噴き出した。