ひまわり


「おいっ」


昼休み時間。


真由と購買部に行こうと席を立ったその時、目の前にあの男が現れた。


あたしの目の位置にあの男の胸があって、嫌でもあの赤いトレーナーが目に入る。


まぁ、予想はしてたけどね。


あんな強引なことしたうえに言い逃げまでしたら、誰だって黙っていない。


一発殴られるかも――。


真由は相当驚いている。


それも無理はない。


真由には、昨日の放課後の事も今朝の出来事も話していないのだから。


だって、真由には言えないよ。


今朝、こいつの事を待ち伏せしたなんて。


昨日あれだけ気にならないって言い切ったんだから。



< 36 / 339 >

この作品をシェア

pagetop