ひまわり
「おいっ」
昼休み時間。
真由と購買部に行こうと席を立ったその時、目の前にあの男が現れた。
あたしの目の位置にあの男の胸があって、嫌でもあの赤いトレーナーが目に入る。
まぁ、予想はしてたけどね。
あんな強引なことしたうえに言い逃げまでしたら、誰だって黙っていない。
一発殴られるかも――。
真由は相当驚いている。
それも無理はない。
真由には、昨日の放課後の事も今朝の出来事も話していないのだから。
だって、真由には言えないよ。
今朝、こいつの事を待ち伏せしたなんて。
昨日あれだけ気にならないって言い切ったんだから。