ひまわり
「なに、その言い方。
あたしはね、真剣に悩んでたんだよ?
あんたのあの時の表情はどうしてだったのかって、理由が気になって気になって。
いてもたってもいられなくて……
それって、そんなにいけない事なの?」
一息に、声を荒げて言った。
激しく肩が上下する。
「まだあるよ。
どうして、あの教会から2度も出てきたの?
それに、その趣味の悪い真っ赤なトレーナーを着てるのはどうして?」
後半は、疑問と言うよりは彼に対する嫌味だった。
一瞬あたしの質問攻めに目を丸くしていた彼だったが、はぁーっと溜息をつくとそのままお尻を持ち上げて立ち上がった。
「マジでめんどくせぇ女」
頭をかきながら、今まで腰かけていた自転車を引っ張り出す。
「ちょっと、どこ行くの?」
自転車にまたがる彼の腕を掴む。
「はっ?
疲れたから帰るの」
当たり前じゃんというような顔でそう言って、ゆっくり進み始めた。