ひまわり


4つの椅子の中には、子供用の椅子が2つある。


こいつの家族は4人家族か――。


小さな兄弟までいるんだな。


うらやましい……


一人っ子のあたしには想像出来ないけど、きっと毎日が明るいんだろうな。



それにしても、きれいに片付けられた部屋だ。


不要なものは全て収納されている。


自分の部屋と比べてみた。


帰ったら、あたしもきれいに片付けよう。


なんて思ったその時――。


「ったく、また火つけっぱなし。
あぶねぇ」


グレーのスエットに着替えてきた彼が、頭をかきながらキッチンへ向かった。


そして、カチっとお鍋の火を消した。


やっぱり、こいつヤンキーだ――。


スエット姿の彼を見て、心の中で呟いた。


「なんか飲む?
って、麦茶しかねぇ」


冷蔵庫の中を覗き込み、ガサゴソと中身を確認している。


頭をかきながら何かをぼやいた彼は、麦茶と2つのコップを手にしていた。




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