ひまわり


「そうなんだ。大変だね」


そう答えてくれる真由に、軽く微笑む。


悲しくて、虚しくて、やるせない。


こんな下手くそな嘘――。


やりたい事が見つけられないあたしは、どうかしてるのかな。


夢がなくて冷たい人間?


さすがに、何のための高校生活って感じだよね。


あたしは部活紹介を右から左に受け流しながら、体育館の外の景色へと視線を移した。


体育館の横に植えられている木々が、春から夏へと向けて、段々と濃くなっていた。



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