ひまわり


なんでだろう……。


彼の視線があたしに向いただけなのに、なぜか胸のあたりがぎゅうっと締め付けられた。



「おまえさ、俺にたくさん質問してきたろ」

「っえ? ……うん」

「そんな奴初めてでさ、俺、だせぇけど、実際こういう時どうしていいのかわからなくて――」


いつもの威勢のいい声じゃなくて、あたしの方こそどうしていいのかわからない。


調子狂わせ過ぎ。


「周りの奴らは、俺の外見だったり噂だったりで誰も近寄ってこねぇし、今まで話しかけてくる奴なんていなかった──。
だからってわけじゃねぇけどさ、俺、自分の意見なんて今まで言った事なかったんだ」


やっぱり、おかしい……。


ていうか、いきなり何言い出すの?


お願いだから、あたしの頭で理解できる範囲内での会話をお願いします。


「だから、なんつーか、嬉しいっつーか、調子狂うっつーか。」



いやいや、調子狂うのはあたしだっつーの。


さっきから目泳ぎすぎだから!!


あたしに何が言いたいわけ?



< 65 / 339 >

この作品をシェア

pagetop