ひまわり


「ちょ、ちょっと待って。ちょっと待ってね」


まだ話を続けようとする蔵島恭平の言葉を遮って、あたしは深呼吸をした。


なんであたしが落ち着こうとしているのかわからない。


だけどせめて、さっきから停止している脳に、酸素を送ってあげたかった。


「蔵島君、ちょっと落ち着こうか」

「はっ? 俺落ち着いてるし」

「じゃ、やっぱり熱でもあるでしょ。 ねっ、保健室行こう」



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