ひまわり
彼の腕を掴み保健室まで引っ張って行こうとしても、彼の筋肉質な体はピクリとも動かなかった。
うーんと引っ張っても無理。
「さっきから何やってんの?」
あたしが顔を真っ赤にして力を入れているというのに、彼は平然としている。
もう、鼓動は乱れるは調子は狂うはで、なんだかわけがわからなくなってきた。
あたしのこの行動は無意味なものなのだと気づき、諦めて彼の隣に腰かけた。
とりあえず、最後まで話を聞こう。
中途半端が一番わけわかんないよね。
「いいよ。あたしが理解できるように、一から話して」
「何開き直ってんだよ。」
「別に?」と、素っ気なく答えると、彼に横目で睨まれた。
「俺はただ、おまえの質問に答えてやろうとしただけだよ」
あたしの視界の隅に映る彼は、眉間にしわを寄せてから、また前かがみになり話し始めた。