ひまわり
梅雨空
「あー、雨だね」
「だな」
「憂鬱だねー」
「だな」
「暇だねー」
「だな、って……なんでいんの?」
時間が過ぎるのは早いもので、もうあっという間に6月。
毎日毎日灰色の雲が頭上にあって、いい加減嫌気がさしてくる。
なんにもすることがなく、暇な日曜を過ごしていたあたしは、蔵島恭平の家に来ていた。
「俺、呼んでねぇんだけど」
「だって、この前また来いって言った」
「はぁ?」
リビングのテーブルに座り、漫画を開いている彼が、あたしに冷たい視線を送っていた。
「やけに静かだけど、みんなは?」
「さぁ、日曜だから出かけたんじゃね?」
「えー、またお家の人に挨拶できなかったよ」
テーブルに突っ伏し、顔の半分を潰す。