ひまわり
「毎月来てんだ」
ぽつりと話しだす。
彼のその視線はとても切なくて、胸の辺りがギューッと締め付けられて苦しくなった。
「そんで、6月15日は、毎年ここで誓うんだ。
今日なんだよ。二人が死んじまった日。
6年前の6月15日」
紙袋から線香とロウソクを取り出しながら、昔を思い出しているようだった。
「あの日さ、俺をばあちゃん家に預けて、二人だけで食事に出かけてたんだ。
唯一の二人の楽しみだったみたいで、お袋なんて子供みたいに浮かれててさ。
俺は、その日は二人の記念日だって知ってたから、笑顔で手を振って送り出した」
「記念日?」
バケツの水で、墓石を洗う彼に問いかける。