ひまわり


「莉奈、あれ」


3年生に見惚れていると、『3―C』の教室を真由が指さして、あたしに先輩の居場所を教えてくれた。


そこに目を向けると、机にお尻を乗っけて友達と楽しそうに会話する先輩の姿があった。


確かに、汗が似合いそうな人だ。


黒の短髪で、運動部独特の色黒さはエナメルバックに白いタオルがかなり似合いそうだった。


「あの人が、平岡健人先輩」


教室のドアに隠れながら覗き込んでいると、平岡先輩があたし達に気付いた。


こっちを見て、笑いながら右手をあげる。


それに応えるように、真由が頭を下げた。


先輩は友達に何か言うと、机からお尻を下ろしてあたし達に近づいてきた。


その瞬間、真由があたしの制服をギュッと握った。


真由の緊張があたしにも伝わり、心臓がせわしく動き始めた。


「真由ちゃん、どうしたの?」


うわ……。


めっちゃ背高い。


あたしが唖然と先輩を見上げていると、チラッと先輩と目が合った。


とりあえず、『どーも』と頭を下げる。




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