ひまわり


先輩が頭を傾げ、また真由に目を向ける。


「………」

「ほらっ、真由言ってたじゃん、あのーなんだっけ。ほらっ、あれっ、えーと、あっ、スコア。
スコアの書き方」


あたしがブンブンと真由の肩を激しく揺らすと、はっと真由が帰ってきた。


「そ、そうなんです。
スコアの書き方がいまいちわからなくて……」


どこか遠くに行っていた真由がようやくもどってきてくれて、内心ほっとした。


「書き方?」

「はい。あのー、ダメですか?
他の先輩には、なんだか聞きづらくて」


あたしが咄嗟についた嘘に、真由が乗っかる。


このあたしでも、役に立つことはあるね。


真由頑張れ。


ねばって、どんどん押しまくれっ。


「ダメ……ですか?」


少し困る先輩に、真由は負けじとお願いしていた。



が、しかし。


「ごめん」

「――っえ?」


先輩は頭をかきながら一言謝った。


それは、迷惑そうとかじゃなくて、本当に申し訳なさそうに言っているのがわかった。


わかるだけに――。



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