pp―the piano players―
リビングで、加瀬さんが時折音を立てる。わたしは胸が静まるのを待って、加瀬さんに問う。
「まずは、聞きやすい方から」
加瀬さんはわたしからの質問を聞く前に答えた。入れ直した紅茶を、わたしの前にも置く。
「美鈴さんは、教室を再開したんだ。小さい子から、またね」
演奏家としての仕事も始めたし、実は忙しいんだよ、美鈴さん。加瀬さんは、嬉しそうに心配する。
「君たちが少し離れたからね、ああして自分も頑張ろうと思えたんだよ」
「加瀬さん、」
きっと二人だけの距離やバランスで、助け合い支え合っているんだろう。先生はきっと、幸せだ。
でも。
聞きたいこと、もう一つ。
「次に、早紀ちゃんが、驚いてしまったこと」
「まずは、聞きやすい方から」
加瀬さんはわたしからの質問を聞く前に答えた。入れ直した紅茶を、わたしの前にも置く。
「美鈴さんは、教室を再開したんだ。小さい子から、またね」
演奏家としての仕事も始めたし、実は忙しいんだよ、美鈴さん。加瀬さんは、嬉しそうに心配する。
「君たちが少し離れたからね、ああして自分も頑張ろうと思えたんだよ」
「加瀬さん、」
きっと二人だけの距離やバランスで、助け合い支え合っているんだろう。先生はきっと、幸せだ。
でも。
聞きたいこと、もう一つ。
「次に、早紀ちゃんが、驚いてしまったこと」