Dragon Hunter〜月雲花風〜
エドガーは黙って鍵をバルトに渡した。


「心配すんな。今ここで死なせてたまるかよ」


鍵を開けてバルトが牢に入る。

また彼女が大きく体を反らせて血を吐いた。

耐え切れなくなった叡刃が牢の中に入り彼女を抱き起こす。

「ヒオウ、ヒオウ!死んじゃダメだ。今助けてあげるからっ」

少女は薄く目を開くと叡刃の手を払った。

「っ、なん…」

「死、なせ、て…」


絶句する叡刃。エドガーはやはりといった顔をしている。

「そんな、駄目だよ、君は生きなきゃ!」

その瞬間、彼女から漏れ出ていたエネルギーが一気に膨れ上がった。


「うるさい………死なせろよっ!」

「叡刃っ、離れろ!」




ドーン………とどこかに雷が墜ちた。





「げほぉっ、がは…、かっ、ぁ」


少女の体が一際大きく波打った。

虚ろな目をした彼女は少し口を開くと、舌を噛み切ろうとした。

その瞬間。
バルトが動いた。


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