Dragon Hunter〜月雲花風〜
「しっかしコイツえらい変わった体質しとるなあ」
ふとバルトが言った。
確かに彼の言うとおりで、白髪に赤目だった彼女は術が進むに連れ髪と目の色を変えていった。白かった髪は灰色に。後ろのエドガーや叡刃からは見えなかったようだが、同じく赤かった瞳も灰色になっていったのをバルトは見ている。
「確かにな」
エドガーもそれに同意する。
「叡刃、何か知らないか?」
「…。この子が生まれたとき、余りの持ってうまれたエネルギーの強大さに、長老たちが術を施したらしいってのは聞いてる」
ふむ。と考える態勢に入ったエドガー。
「とりあえずここ出ようや」
とどうでもいいような感じでバルトは言った。
「それもそうだな」
「え、俺は………」
同意するエドガーだが、叡刃は渋った。
「お前がここにおっても事態は何も変わらん。さっきのコイツの反応見たやろ」
真剣な顔をしてバルトは言った。
「エドガー。ハミルトン君呼んで」
「ああ」
何かを察したエドガーは扉の外で待つハミルトンを呼んだ。
「何でしょうか」
「おう。なんか布みたいなん無い?」
「布、ですか?」
「うん。そう」
怪訝な顔をするハミルトンにバルトはにっこり笑って言った。
「コイツにさるぐつわ噛ますから」