Dragon Hunter〜月雲花風〜
紅い闇①
警備隊詰め所を出た叡刃とバルト、エドガーは市内に宿を取った。三人で泊まれる部屋がなかったので、二人部屋を2部屋とることになった。
深夜、まだバルトは起きていた。隣室では叡刃が眠っている。彼は一本燈した蝋燭をじっと見つめていた。いや、実際は見てはいない。思考とともに意識はその一部だけを表層に残し、己の深いところまで潜っている。
深夜に蝋燭を一本だけ燈し考え事をするのは彼の昔からの癖だった。その顔に昼間の笑みはなく、無表情に近い。これが彼の本質なのだろうか。蝋燭の小さな明かりが彼の赤みがかった金髪を照らす。
コンコン
遠慮がちにドアがノックされた。
「まだ起きとるよ、エドガー」
ドアの方をちらりとも見ずにバルトは答えた。それを合図にドアが静かに開かれ、エドガーが入ってきた。
「相変わらず鋭いな」
「はっ。それより用事があるんやろが<俺>に」
叡刃といる時には絶対に見せない冥い笑みを唇に乗せるバルト。たまに、こうやってエドガーには己の本質を垣間見せる。
ちらりと隣室に目をやったエドガーの意図を理解してバルトは言った。
「叡刃なら寝とる」
こちらに視線を移したエドガーにバルトは頷き、外をさした。
パタンと小さな音だけを残し、扉は閉まった。
深夜、まだバルトは起きていた。隣室では叡刃が眠っている。彼は一本燈した蝋燭をじっと見つめていた。いや、実際は見てはいない。思考とともに意識はその一部だけを表層に残し、己の深いところまで潜っている。
深夜に蝋燭を一本だけ燈し考え事をするのは彼の昔からの癖だった。その顔に昼間の笑みはなく、無表情に近い。これが彼の本質なのだろうか。蝋燭の小さな明かりが彼の赤みがかった金髪を照らす。
コンコン
遠慮がちにドアがノックされた。
「まだ起きとるよ、エドガー」
ドアの方をちらりとも見ずにバルトは答えた。それを合図にドアが静かに開かれ、エドガーが入ってきた。
「相変わらず鋭いな」
「はっ。それより用事があるんやろが<俺>に」
叡刃といる時には絶対に見せない冥い笑みを唇に乗せるバルト。たまに、こうやってエドガーには己の本質を垣間見せる。
ちらりと隣室に目をやったエドガーの意図を理解してバルトは言った。
「叡刃なら寝とる」
こちらに視線を移したエドガーにバルトは頷き、外をさした。
パタンと小さな音だけを残し、扉は閉まった。