Dragon Hunter〜月雲花風〜
「どういうことだ?」
エドガーがアルタイルから目を離さず静かに問う。
「ここにある死体………全部ニセモンや」
「ほう。禁術かなにかで作られたまがい物の肉体、ということか」
質問は確認。
バルトのいきなりのニセモノ発言にも驚かないエドガー。それにより彼も死体が偽物だとわかっていたことがわかる。
「そうや」
「それがどう“クーデター”と結び付くんだ?」
「一つだけ本物の肉体があんねん」
「なるほど。それが『紅』総統カインというわけか」
「そう。他の幹部及び構成員を自分の支配下に置き、あいつが暴走したのを利用して人形とすり替え、そして邪魔者だけが消えるようにした…」
目の前にいるアルタイルから少しも目を話さずに、会話を続ける二人。
導き出される解答。
それが正解かどうかは、目の前の人物のみが知っている。
「普通そうなる前に気がつかないか」
「付かんかったんやろ。いや、気いついとったんかも知れんけど、言いくるめられたか……。いずれにしろ、目の前の奴に乗っ取られたンは確かや」